今、地域に必要な機能「小規模多機能、共生ケア」

2005年10月22日 15時01分 | カテゴリー: トピックス

『富山型』民間デイサービス施設を見学してきました

 これまで福祉は、高齢者は高齢者だけ、障がい者は障がい者だけ、そして子供は子供だけと行政の縦割りによって分けられてきました。しかし、今、住宅地の中にある民家を改造した小規模で家庭的な施設で、赤ちゃんからお年寄りまで障がいの有無にかかわらず受け入れるサービスが全国的に広がりつつあります。
このような小規模多機能で共生型施設の先駆けとなった富山市のデイケアハウス「このゆびとーまれ」をはじめとする、『富山型』民間デイサービス施設を見学してきました。
 93年、「このゆびとーまれ」は、惣万佳代子さんを代表に民間のデイサービス施設として開所。当時は介護保険もなく、民間施設は行政からの支援が不可欠でしたが、次々と開設された地域における共生ケアの実践が行政を動かし、96年、障がい者(児)の一時預かり事業の委託、高齢者のデイケアサービスへの補助金が実現しました。この「障がいの種別や年齢を超えて一つの事業所でサービスを提供する」方式と、「縦割り行政の壁をはずした柔軟な補助金の出し方」が新しい形の福祉サービスとして『富山方式』、『富山型』と呼ばれています。
 見学した施設では、お年寄りが乳児をあやし、子供たちが賑やかに遊び、障がい者がリビングのテーブルで手仕事をしたり、キッチンで食事作りを手伝っていたり、ボランティアも参加、大きな施設ではできない利用者とスタッフのふれあいが自然。それぞれが穏やかに、いきいきとした様子で過ごしている日常が共通していました。『富山型』民間デイサービスの良さは、少人数で家族的な雰囲気があることです。地域に密着していて、住み慣れた地域で暮らしたいと願う高齢者にとって親しみやすいこと、いつでも誰でも受け入れ、利用者に合わせて対応していることです。年齢の枠を越えた交流は、施設というよりは大家族の家庭のようで、真のノーマライゼーションを実現していました。
 施行から5年の介護保険制度、今回の改正の目玉は、地域密着型サービスと言われています。江東区で新たなサービスとして始まろうとしている小規模多機能施設は高齢者対象です。富山市でも共生ケアの取り組は制度に当てはまらないものでした。03年、「富山型デイサービス推進特区」の認定を受け、介護保険上の指定通所介護事業所での知的障がい者、障がい児のデイサービスの利用が可能になりました。10年たって制度が追いついてきたと言われます。今では、『富山型』を「特区から制度へ」という議論がされていますが、江東区でもぜひ必要なしくみとして市民とともに追求していきたいものです.