検証!廃プラ焼却で何が起きているのか?!

2009年11月25日 15時38分 | カテゴリー: 江東・生活者ネットワークREPORT

CO₂排出量増、薬剤使用量増、雨水からダイオキシン

▲夢の島ヨットハーバーの向こうにそびえる巨大な新江東清掃工場(600㌧×3炉)。10年3月、工場を中心に周辺の松葉を採取しダイオキシン・重金属調査を行う。市民による環境監視活動を地道に継続していく。
▲夢の島ヨットハーバーの向こうにそびえる巨大な新江東清掃工場(600㌧×3炉)。10年3月、工場を中心に周辺の松葉を採取しダイオキシン・重金属調査を行う。市民による環境監視活動を地道に継続していく。
 江東ネットは、2005年10月、廃プラスチック(以下廃プラ)の可燃ごみへの分別変更方針が出されて以来、一貫して焼却反対の立場で活動を続け、議会質問を繰り返してきた。江東区を最後に全区で廃プラが可燃ごみとなり半年が過ぎたが、いくつかの問題点が表面化してきた。これらは、東京23区清掃一部事務組合(以下一組)がよく使う言い訳「たまたま起きたこと」ではないことを、事実に真摯に向き合いながら検証していきたい。

▼廃プラ焼却で、CO2排出量46.3ポイント増
 10月19日、新江東清掃工場を見学した際、朝日新聞が報道した「一組の全22事業所では、焼却を主な理由とする二酸化炭素(CO₂)の排出総量が増加。昨年度は約89万7千㌧(06年は約61万㌧)」の根拠を質問したところ、「温暖化対策法に基づくCO2(非エネルギー起源)排出量」を提示、08年度は06年比で、新江東清掃工場は150.2%、中防灰溶融施設は113.0%。有明清掃工場は事業系ごみのみの焼却、プラスチックは不燃ごみに分別することから、79.3%という結果なのは興味深い。09年度は江東区の廃プラ焼却全面実施で、排出量は増える見込みとのことだ。
 一組は廃プラ焼却による温室効果ガスの増加は約16.6万㌧と推計した(一組HPによる)が、実際はその約1.7倍の増加量というのは問題だ。エネルギー由来のCO₂排出量を含め、調査を継続する。

▼消石灰・苛性ソーダなど薬剤の使用量増加
 廃プラ混合焼却により炉内の燃焼が不安定になり、さまざまな問題が起きていることは、江東ネット通信前号で報告したが、今回、新江東清掃工場の薬剤の使用量を調べた。
 09年度4月〜9月の半年間のの未確定値をもとにした試算だが、塩化水素や硫黄酸化物を除去する苛性ソーダや消石灰、窒素酸化物を除去するアンモニアは21〜29ポイント、ダイオキシン反応助剤は14ポイント増えている。これは廃プラが増えたことにより、炉内で塩化水素や硫黄酸化物、窒素酸化物、ダイオキシンなどの発生量が増えていることを示唆している。検証が必要だ。

▼雨水から環境基準を超えるダイオキシン
 9月19日の朝日新聞「雨水にダイオキシン、練馬清掃工場、環境基準上回る」という報道に驚いたが、その後全清掃工場の雨水・排水中のダイオキシン測定値を入手できた。これによると、記事にある練馬清掃工場が6.8pg-TEQ/L(以下pg)と突出しているが、環境基準を超えている清掃工場が9工場あり、区内の有明清掃工場が2.0pg、中防灰溶融施設が1.6pgという値だった。
 10月29日、急きょ有明清掃工場と中防灰溶融施設を見学し、担当者の話を聞いた。
 有明清掃工場では、屋根に降った雨水は施設内の清掃等に利用後、汚水処理施設で処理し下水へ、敷地内の雨は降り始めは汚水処理施設で処理するが、それ以降はそのまま下水へ排水する。中防灰溶融施設もほぼ同様、敷地内路面は毎日2回散水車で路面洗浄するとのことだ。
 下水へ排水する場合は排出基準10 pgが適用されるから基準値以下であると一組は説明している。しかし、下水はいずれも分流式。分流式の雨水管や都市下水路は公共用水域であり、特定事業所から公共用水域に排出されるものは水質汚濁法の環境基準1 pgが適用されることを指摘する研究者がいる。
 一組は正しい情報を開示し、ダイオキシン汚染の原因を解明、原因を取り除くとともに、23区民に説明責任を果たすよう求めていく。       (環境部会)