プラ焼却ストップに向けて…松葉によるダイオキシン・重金属調査

2010年5月13日 18時03分 | カテゴリー: 江東・生活者ネットワークREPORT

不安に思う市民が調査します

松葉は人が呼吸する地上約150cmの針葉を採取します。
松葉は人が呼吸する地上約150cmの針葉を採取します。
 東京23区では2008年度からプラスチックが可燃ごみとなり全清掃工場で燃やされていることは何度かお伝えしてます。プラスチック焼却で大気環境にどのような影響が表れるかを調べるために、今年3月、市民グループは江東区内延べ48地点の松葉を採取しました。
 調査するのはダイオキシン類と12種類の重金属類。プラスチック混合焼却開始前の07年に実施した調査結果と焼却開始後約1年半を経過した今回の調査結果の比較検証を行い、汚染状況の変化の実態を明らかにします。
 
清掃一組の実証確認、疑問が残る「安全」の証明
 23区清掃一部事務組合(清掃一組)が実施した廃プラ焼却の実証確認試験。1回約5百万円、20清掃工場で64回実施し総額3億4千万円余の多額の費用をかけ、その結論はいずれも「基準値の範囲内、操業の範囲内だから安全」という内容です。
 しかし、組成が一定にならないごみを稼働中の炉を使って測定していることや、焼却で発生した有害物質を中和・無害化する薬剤投入後、短時間で数回しか測定しない調査方法では、複雑な組成を持つプラスチックの焼却による影響の有無を評価することはできないとの専門家の指摘があり、清掃一組の「安全」という結論は疑問です。

2010年の松葉調査、環境汚染は明らかになるか
 焼却開始前の07年3月、23区でプラスチックが可燃ごみとなることに不安を抱く市民グループによる松葉のダイオキシン調査で、江東区全域および臨海地域が高い濃度を示し(上のグラフ参照)、全国で行われた同年度の松葉調査で江東区臨海地域が最も高い濃度を示しました。
 2010年3月、2007年と同じ地点で採取した江東区全域と臨海地域の2検体と、新たに新江東清掃工場(日本最大日量1800㌧の炉で09年度11区のプラスチック混合ごみを焼却)周辺の1検体を加え、大気環境の変化の状況を知るために、分析調査を行います。

クロマツの針葉は大気環境測定に最適
 松の葉は脂肪分が多いため、光合成の際に二酸化炭素と一緒に吸い込んだダイオキシン類などが葉の中に吸着されやすく、吸着される量はおよそ半年を過ぎると安定し、ダイオキシン類などが長期にわたって大気中にどれくらい存在するかを調べるためのモニタリング試料として最適といえます。一方、日本における国や自治体での測定はろ紙などで大気を吸い取り濃度を測る方法をとり、風などの気象条件によるばらつきが出る可能性があります。
 採取した松葉は、民間の研究機関(環境総合研究所)の手で試料として整理され凍結保存ののち、カナダ第2の分析機関に送られ、6月には分析結果が出る予定です。

予防原則で化学物質汚染のないまちへ
 プラスチックは石油を原料とし、添加物として可塑剤や安定剤、顔料などとしてさまざまな化学物質や重金属が使われ、その数は1000種類を超えるともいわれています。しかし事業者はその詳細を明らかにしていません。
 このような組成の明らかでないプラスチックの焼却の安全性が、清掃一組の実証確認で立証されたとは到底言えません。たとえ発表通り一つひとつは基準値内、操業の範囲内であっても、複合による有害化学物質の発生が予想され、研究者からは特に胎児期や乳児・幼児期に与える影響が大きいことが指摘されています。
 区民の命に責任を持つべき23区と清掃一組は、「予防原則」を基本とすべきです。同時に、私たちは便利な暮らしのために安易に物をつくり、ごみとして燃やす暮らしを見直し、未来の子どもたちの環境を守る責任を果たしていかなくてはならないと、この活動を通して改めて強く思います。(環境部会)

*分析結果はカナダのマクサム社から環境総合研究所に届き、現在解析中です。
*報告会が6月24日午前に予定されています。問い合わせは江東ネットへ

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