避難所は生活の場、だからこそ必要な女性・生活者の視点

2011年11月14日 18時26分 | カテゴリー: トピックス

防災セミナー“女性の視点で防止まちづくり”

9月3日/防災セミナー第1回 宗片恵美子さんの問題提起〜被災の現場から〜
9月3日/防災セミナー第1回 宗片恵美子さんの問題提起〜被災の現場から〜
9月から12月にかけて開催する防災セミナー。第1回は問題提起、講師はNPO法人イコールネット仙台の宗片恵美子さん。

 阪神淡路大震災では女性が1000人も多く亡くなり、性被害、職場差別などの災害時の二次被害が明らかになりました。中越地震では被災地に入った男女共同参画局の女性職員が、女性支援の必要性を確認したといいます。
 これらの教訓は、2010年の第3次男女共同参画基本計画に「防災分野」での男女共同参画の推進という柱が立てられ、生かされました。東日本大震災では、これらの教訓は生かされたのでしょうか。3.11で起こったこと、避難所の女性たちの現実と課題を聞きました。

女性に大きな負担。届かない女性の声

 宗片さんがかかわった避難所の運営責任者はすべて男性。当初は男女別トイレや更衣室はなく、女性が布団の中で着替えをする姿があったといいます。要望を出しても緊急時だからと、理解されず無視され、広い体育館などで、女性のストレスは想像を超えていたといいます。

 働く女性の苦労もはかり知れません。
 休んだら解雇されるからと必死の思いで職場に通い、先に解雇されるのは女性、仕事を失った女性は避難所からハローワークに通い、男性優先で仕事が無い、という厳しい現実があったそうです。

 また、女性は「食事づくりや世話をする」のがあたりまえと、被災者何百人分の3食を同じ被災した女性が調理し、子どもやお年寄りの世話などが全て女性の肩にかかってきたのも事実です。

女子力を発揮!教訓は生かされたのか…

 地震災害の経験を生かし、特に東松島市の避難所には女性職員が派遣され、女性トイレに生理用品や基礎化粧品を設置するなど女性に配慮した運営が行われました。
 宗片さんたちは、避難所でのニーズを聞き取り、女性たちの下着を干すこともはばかられる状況に、せんだい男女共同参画財団の協力で、仙台市内の洗濯ボランティアとつなげる支援「せんたくネット」を立ち上げ、きめ細かな配慮で喜ばれたといいます。
 登米市男女共同参画推進条例策定委員会の女性有志グループの「えがおねっと」は、化粧品メーカーと協力し、ハンドマッサージとフェイスマッサージを避難所に届け、マッサージしながら話を聞き、癒しになりました。
 また、女性ならではの物資を届ける宮城女子力支援プロジェクトは、化粧品などの段ボール単位の支援物資を避難所に届けるなど…。
 「女子力」が生かされた支援や物資は、生活の場である避難所運営に欠かせないものだということが再確認されました。

調査活動へ、記録を残す。
女性たちは何を体験し、何を考え、どう行動したのか

 宗片さんは避難所訪問の中から、災害時には
①性別役割分業意識が顕著に表れ、女性やマイノリティの人権に対する配慮が忘れられがちになる
②性別役割分業の押し付けは、女性にも男性にも負担が大きい
③多様な女性の暮らし方に即した対応が必要 。と指摘します。

そして何よりも大切なのは「運営・決定の場への女性参加」です。

 宗片さんたちは、東日本大震災を教訓として次の世代に残すための調査を始めました。起こったことを調査し記録していくことは、これからの災害対策、復興の基本となります。この調査活動に注目したいと思います。