緊急学習会「戦争ができる国にNO!~安全保障関連法案を学ぶ~」で学んだこと

2015年9月10日 09時03分 | カテゴリー: トピックス

 

緊急学習会「戦争ができる国にNO! ~安全保障関連法案を学ぶ~」を開催しました。
『私は日本国憲法です』の著者、鈴木篤弁護士を講師に、憲法と民主主義の理念から、安倍政権が強行する安全保障法案を読み解き、今何が必要かを考えました。

 

≪鈴木篤弁護士の講演要旨≫

「民主主義ってなんだ?」
       今までにない国民の「安保法案反対」運動
 憲法学者や弁護士、さらに元最高裁判事や元内閣法制局長官などが声を挙げ、学生や若者、子どもを連れた母親がいたたまれずに反対運動に参加している。これまでの護憲運動や60年安保と違い、組織されていないあらゆる世代の市民が自発的・自主的に起ち上がっている。行動することが民主主義。安倍政権が国民の中の民主主義的要求を深く掘り起こしている

安全保障法案とは、何か
 2014年7月の集団的自衛権行使容認の閣議決定。この根っこには日米同盟関係の範囲を全世界に拡げるための提言をまとめた「アーミテージレポート(*)」がある。安保法制化は安倍政権の独断でアメリカと約束した15年4月の「日米ガイドライン」に法的力を与えることが目的であり、集団的自衛権行使容認を基に、日本が直接・現実に攻撃されていない時でも、いつでも世界中何処でも武力行使を可能にするための法整備。
 関連法には「武力攻撃事態」「武力攻撃予測事態」「存立危機事態」「緊急対処事態」「重要影響事態」「国際平和共同対処事態」と様々な「事態」が並んでいるが、「限定的」とするその「事態」の境界はあいまい。「(安保法案について)私が総理なのだから、私の判断に間違いはない」と断言する安倍首相をはじめ、時の政府・首相がそれぞれの「事態」を認定することになるのは大きな問題。
 さらに、武力攻撃事態法には「国民の協力義務」が課され、周辺事態法にある「恐れのある事態我が国の平和と安全に重要な影響を与える事態」の「等」は何なのかも問題。自衛隊法改正では、テロに巻き込まれた邦人救出活動新設に伴い「任務遂行型」武器使用を容認(84条の3)。これは「正当防衛型」武力行使と言える。また米軍から要請があった場合の自衛隊に属する物品の提供(100条の6)では、「物品」には弾薬が含まれ、核兵器は排除されていない(国会答弁)。

*2012年夏発表の「第3次アーミテージレポート」では、日本に対し、原発再稼働、TPP推進、秘密保護(法)、米軍と自衛隊の全面的な協力の推進、武器輸出三原則の撤廃、集団的自衛権の行使容認などを27項目を「提言」している(陸上自衛隊幹部学校HP(コラム033 2012/08/28)参照)

憲法否定の安全保障関連法
 憲法前文には、「不戦の誓い」とともに「恒久平和実現」を誓い、憲法にはこの誓いを保障・担保するために「国民主権」と「民主主義」を謳っている。また、戦争が生み出す「専制、隷従、圧迫、偏狭、恐怖、欠乏」を明確に示しこれらを全世界から永遠になくすために『日本国民は全世界の先頭に立ち、国家の名誉にかけ、全力をあげて、この崇高な理想と目的を達成することを誓う』と記している。戦力を持たず、武力行使をせず、戦争をしないという9条の消極的平和主義、前文の積極的平和主義の憲法原理から、安保法制化は到底認められない。
 法制化を認め、時の政権が憲法をいかようにも勝手に解釈を変更できるとするなら、法律や政府・行政の行為によって人権が損なわれ、損なわれようとするとき、これを防ぐための闘いの「よりどころ」を失うことになり、これは立憲主義の否定である。

今何が必要なのか
 安保法案の成立を阻止するには国民の運動をひろげ力をつけ、きちんとした結集体にかえていくことが必要。自公政権を打倒し、民主主義の政権を樹立していかなければならない。

 数の論理で強行採決が行われるかもしれない状況のなか、「私たちはどうするのか?」という問いに、鈴木弁護士は「闘いはこれからです」と静かにきっぱりと言われました。
戦後70年目の夏、日本国憲法の原則を守り安全保障関連法案に反対する運動は「国民の中の民主主義的要求を深く掘り起こした」しました。私たちが確かに手にした民主主義を掲げ、「戦争のできる国づくりにNO!」と行動し続けたいと思います。

 ≪参加者から(抜粋)
◎本当に色々と考えさせられました。憲法のことをもっと若者が勉強をし、理解をしていかなければならないと思いました。そして、正しいことは何かを考えなければと思いました。
◎憲法の大切さ、とてもすばらしい事が書いてあることなど改めて気づきました。安部政権のやっていること自体が憲法に反していると思いました。
◎これだけの人がNOと言っているのに動かせないものか。
◎戦争法案反対です!

≪日本国憲法 前文≫

日本国民は、正当に選挙された国会における代表者を通じて行動し、われらとわれらの子孫のために、諸国民との協和による成果と、わが国全土にわたつて自由のもたらす恵沢を確保し、政府の行為によつて再び戦争の惨禍が起ることのないやうにすることを決意し、ここに主権が国民に存することを宣言し、この憲法を確定する。そもそも国政は、国民の厳粛な信託によるものであつて、その権威は国民に由来し、その権力は国民の代表者がこれを行使し、その福利は国民がこれを享受する。これは人類普遍の原理であり、この憲法は、かかる原理に基くものである。われらは、これに反する一切の憲法、法令及び詔勅を排除する。

日本国民は、恒久の平和を念願し、人間相互の関係を支配する崇高な理想を深く自覚するのであつて、平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、われらの安全と生存を保持しようと決意した。われらは、平和を維持し、専制と隷従、圧迫と偏狭を地上から永遠に除去しようと努めてゐる国際社会において、名誉ある地位を占めたいと思ふ。われらは、全世界の国民が、ひとしく恐怖と欠乏から免かれ、平和のうちに生存する権利を有することを確認する。

われらは、いづれの国家も、自国のことのみに専念して他国を無視してはならないのであつて、政治道徳の法則は、普遍的なものであり、この法則に従ふことは、自国の主権を維持し、他国と対等関係に立たうとする各国の責務であると信ずる。

日本国民は、国家の名誉にかけ、全力をあげてこの崇高な理想と目的を達成することを誓ふ。